2007年6月3日日曜日

ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブス


【萬物相】永遠のライバル、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブス | Chosun Online | 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/article/20070602000021

永遠のライバル、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブス




 「おれはイカしてるが、お前はただの老いぼれさ」


 最近、動画共有サイトで「ゲイツ対ジョブス」というアニメーションが人気を集めている。この中で、アップル・コンピュータの最高経営責任者(CEO)であるスティーブ・ジョブス会長が先のようなセリフとともにマイクロソフトのビル・ゲイツ会長につかみかかる。いがみ合う2人はやがて『スターウォーズ』で使われる剣「ライトセーバー」で対決を始める。

 その時、1980年代に一世を風靡(ふうび)したコンピューター「コモドール64」が老いた姿でつえをついて現れる。そしてコモドールは「おまえたちが誇らしい」と言い残し、天国に上る。それを見たゲイツとジョブスが仲直りするところでアニメーションは終わる。

 くしくも同じ1955年生まれであるゲイツとジョブスは、30年前にパーソナル・コンピューターという言葉が登場したときからのライバルだ。1975年にゲイツがマイクロソフトを設立し、1976年にジョブスがアップル・コンピューターを設立した時から、両者は不倶戴天(ふぐたいてん)の関係となった。1984年にジョブスがコンピューター「マッキントッシュ」で成功を収めたことで、ゲイツは危機に直面した。次にゲイツが「ウィンドウズ95」で反撃に成功すると、ジョブスはアイデアを盗用されたとして反発した。近年ジョブスはMP3プレーヤーの「iPod(アイポッド)」で成功を収め、ゲイツも「Zune(ズーン)」というMP3プレーヤーでこれに対抗した。

 成功者への道を順調に歩んできたゲイツは言うなれば「模範生タイプ」だが、失業からがん発症まで紆余(うよ)曲折を経たジョブスはむしろ「風雲児タイプ」と言った方がしっくりくる。両者の語録を見ればその違いがはっきりする。ゲイツは「勉強しか知らない堅物をばかにしてはいけない。社会に出てからは、彼の下で働くことになるのだから」と語った。一方ジョブスは「大学中退は自らを奮起させるのに役立ち、がんは一瞬一瞬を大切にすることの重要性を教えてくれた」と語った。

 同席することも避けてきた両者が、先日14年ぶりに同じ舞台に立った。カリフォルニアで開かれたあるカンファレンスで90分間にわたってデジタル社会の未来について討論を交わしたのだ。メディアはポピュラー音楽デュオ「サイモン&ガーファンクル」の再結成コンサート並みの事件だと報道した。人々はトゲのある言葉の応酬を期待していたが、実際に聞かれたのは互いへの称賛だった。「ジョブスの仕事への姿勢は実に魅力的だ」、「他の企業との協力体制を築くため努力するゲイツの姿勢を尊敬する」…。

 両者が、今後も良い関係を維持すると考える人は多くはない。音楽配信や基本ソフト(OS)に至るまで、競合する分野が多すぎるからだ。しかし両者が繰り広げるし烈な争いのおかげで、われわれはパーソナル・コンピューティングをはじめとする充実したデジタル文化を享受することができるようになった。もしもどちらか一方が戦いを放棄していたら、もう一方も現在ほどの位置に上り詰めていなかったかも知れない。2人の関係は、勝つか負けるかの競争の中にも、互いにインスピレーションを受けとめ合う、「創造的なライバル関係」と言えるかも知れない。

姜仁仙(カン・インソン)論説委員

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